令和8年度用 探求 現代の国語 カタログ
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『探求 現代の国語』の特色正確な読解から論理的思考力へ。文学的文章も絡めて学びを深める。C-3+C-4A-39科学・工学生物・環境教材名テーマ教材名テーマ単元単元❶ ほどほどのデザイン❷ 言葉の力❸ サイボーグとクローン人間❹ 読む❺ 経済の論理/環境の倫理❻ 遅れてきた「私」❼ 食の履歴書❽ わかろうとする姿勢❾ AIの判断10 言葉を学ぶとは ――「言語ゲーム」の概念11 歴史は「今・ここ・私」に向かってはいない12 思想の出自デザイン・文化言語・表現科学・身体言語・読者経済・環境社会・個人近代・文化自己・他者技術・人間言語・認識歴史思考・他者工学環境科学言語グローバル化近代社会文化認識生物  マヨネーズの穴から  環境世界  紫外線  人類学から見た言語  グローバル化と「文脈」  ゆらぎ  擬制から責任へ  アラビア語を学ぶ  我関わる、ゆえに我あり   +「私」が「主体」であるために  生物多様性と科学   +ヒトの「進化」と普遍性22812662224122582261246022212056P24816274208108342361526620210026P評論解析C評論Ⅵ評論Ⅴ評論Ⅳ評論Ⅲ評論Ⅱ評論Ⅰ評論解析B評論解析A評論単元(12教材)評論解析(12教材)がりをマップで示した。ら遠ざかるほど、広くす。A-1A-2A-3A-4B-1B-2B-3B-4C-2+C-1C-4+C-380 〈知〉の深化 ▼外山滋比古「読む」(七四ページ)の〔参考〕として51015 くまに誘われて散歩に出る。川原に行くのである。歩いて二十分ほどの所にある川原である。春先に、鴫しぎを見るために、行ったことはあったが、暑い季節にこうして弁当まで持っていくのは初めてである。散歩というよりハイキングといった方がいいかもしれない。 くまは、雄の成熟したくまで、だからとても大きい。三つ隣の三〇五号室に、つい最近越してきた。近頃の引っ越しには珍しく、引っ越し蕎そ麦ばを同じ階の住人に振る舞い、はがきを十枚ずつ渡してまわっていた。ずいぶんな気の遣いようだと思ったが、くまであるから、やはりいろいろと周りに対する配慮が必要なのだろう。 ところでその蕎麦を受け取ったときの会話で、くまとわたしとはまんざら赤の他人というわけでもないことがわかったのである。 表札を見たくまが、 「もしや某町のご出身では。」 と尋ねる。確かに、と答えると、以前くまがたいへん世話になった某君の叔父という人が町の役場助役であったという。その助役の名字がわたしのものと同じであり、たどってみると、どうやら助役はわたしの父のまたいとこに当たるらしいのである。あるかなしかわからぬようなつながりであるが、くまはたいそう感慨深げに「縁えにし」というような種類の言葉を駆使していろいろと述べた。どうも引っ越しの挨拶のしかたといい、このしゃべり方といい、昔気かたぎ質のくまらしいのではあった。  そのくまと、散歩のようなハイキングのようなことをしている。動物には詳しくないので、ツキノワグマなのか、ヒグマなのか、はたまたマレーグマなのかは、わからない。面と向かって尋ねるのも失礼である気がする。名前もわか12神様 川かわ上かみ 弘ひろ美み評論Ⅱ74評論Ⅱ510 「その本は私が書いた。」と言えば、聞いた人は強い印象を受ける。一種尊敬の念を抱くかもしれない。大変な仕事をしたものだと少なくとも考えるであろう。それに対して、かりに、 「その本は読んだ。」と言っても、聞いた人は何とも思わない。単なる情報である。だからどうした、というような関心は抱かずに、ああ、そうかと聞き流すにとどまる。 書物が少なく、入手の困難な時代では、本を読むのは今よりももっと重要なことと受け取られていたに違いない。本を読むことがほとんど学者、高い教養人であるのと同じ意味を持つこともありえたのである。 印刷術の発達普及によって大量の書物が出回るようになると、読者はいわば本の消費者になる。たくさんの本をゆっくり時間をかけ味読するようなゆとりがない。読み流す、読み飛ばす。何が書いてあるかわかればよいとする読書が増えるのはやむをえない。本読む外と山やま 滋しげ比ひ古こ ・2500字~4700字:12教材・1000字前後の短い評論:12教材多彩なジャンル、長短の評論24教材特色❶ 現代小説3本+現代の詩+短歌と俳句に対談まで、絡めて学びを深める評論×文学作品 絡めて深める「知の深化」特色❷ 評論単元12本+評論解析12本の合計24教材を採録。多彩なテーマ、多様な文構造に触れることが可能評論学習を通じて得た知見を生かし、その評論の内容理解をさらに深めていく際に活用できる文章を6教材配置28ページへ04評論解析A ―― 構成を捉える

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