2今1実社会単元 一九七九年生まれ。生まれつき弱視で十六歳のときに失明。現在は全盲。一九六八年生まれ。三十九歳のときに交通事故で失明し、全盲。目の見えない人は世界をどう見ているのか伊い藤とう亜あ紗さ木きの下した路みち徳のりさん難なん波ば創そう太たさん次の文章は、美学者の伊藤亜紗氏が、視覚障害者の方へのインタビューを通じて、目の見えない人の空間認識のしかたに迫ったものである。私たちは、日常生活を送る中で、五感から多くの情報を得ている。その中でも視覚が受け取る情報が、全体の八割を占めると言われる。この視覚という感覚を除いたとき、私たちはどのようにして世界を捉えるのか?見ている世界はどんな別の顔を見せるのか?「見えない人」は、この「世界の別の顔」を感知し、当たり前のようにその世界で生活している。彼らの空間認知のしかたを追体験し、「世界の別の顔」を知ることは、自分の身体の別の姿を知ることであり、人の身体が持つさらなる可能性を感じることでもある。《本文で紹介される「木下さん」「難波さん」について》実社会との接点192内容解説資料4848実実社社会会ⅡⅡ
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