令和8年度用 探求 現代の国語 カタログ
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評論解析C――見解を比べる一九四八(昭和23)年~。動物生理学者。宮城県生まれ。本文は「生物多様性」(二〇一五年刊)によった。3・4の文章の話題は、いずれも生物の多様性と普遍性に関わっている。比較を意識して読みなさい。(設問は二三一ページ)生物には歴史があります。そして生物多様性にも歴史があります。人間の歴史でもそうですが、歴史は同じことが生物はまた「ご当地主義」です。多くの種は、きわめて狭い地域に分布が限られており、他の場所には住んでいまところが科学において、ここのところが問題となるのですね。科学とはいつでもどこでも繰り返し起こる普遍的な*C繰り返されない一回きりの出来事の連続です。一回きりとは、かけがえがないことを意味しています。せん。そこ以外には住んでいないということは、そこがだめになったらもう代わりがないのですから、その生物にとってのご当地はかけがえのないものです。地球上のほとんどの場所が、そこに住む生物たちにとってのご当地です。だから、すべての場所がかけがえのない場所だということになりますね。このように生物とは、一回きり・その地域限定であり、二重にかけがえのないとても大切なものなのです。ことを取り扱います。法則性が発見できるとはそういうことです。歴史の上で一回しか起こらなかったことや、ある特定の場所でしか起こらないことは普遍的ではない特殊なことであり、科学的には無価値なものとして取り扱われます。生物は繰り返しの利かない歴史の中に住んでおり、その土地だけに住み、他のものとは違った存在です。だからかけがえがなく、きわめて大切なのだと主張したいのですが、この主張は科学の世界ではなかなか受け入れてもらえません。ここでいう科学とは、物理学を典型とする科学のことで、それが世間での、そしてほとんどの科学者の科学生物多様性と科学本もと川かわ達たつ雄お5①--評論解析       解析マスター④ +解析マスター 見⑦解の根拠をつかむ 効果的な表現巻頭1 評論を読み解く 解析マスター「評論解析」C(計4本)評論解析C32つの評論を通し、見解の共通点や相違点をまとめる課題「見解を比べる]を掲げました。共通テストに対応した実践的な演習が可能です。1022640

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