令和8年度用 探求 現代の国語 カタログ
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評論解析A――構成を捉えるマヨネーズの穴から51-評論解析         研けん哉や細長いスリットか、あるいは小さな穴の集合か。それによってサラダの上のマヨネーズの様相は、棒状、デコレーション状、きしめん状、ちぢれそば状などに変化する。っている。それはパイプラインや貯蔵タンクを経由し、港で巨大なタンカーへと移され、地球規模の距離をゆっくりと移動する。やがて石油化学コンビナートに運ばれ、それは精製されていく。そしてそのうちのごくわずかがマヨネーズの容器になる。場に運ばれて、おそらくは巨大なタンクに投入され、油やその他の成分と混ぜ合わされ、うすベージュの半固形の食品に仕上げられていくのだ。マヨネーズのノズルの穴の形。実にささいなものだがこれが野菜の上のマヨネーズの姿を決めている。円か星型か、「マヨネーズ」ができるまでのプロセス。それは石油の採掘に始まる気の遠くなるようなものづくりの道筋をたど大地に巨大な石油採掘施設が構築される。その中でごう音を響かせながら、ポンプは地中から原油をくみ上げる。一方、中身の生産では鶏が活躍している。彼らは養鶏場でひたすら毎日飼料をついばみ卵を産む。その卵は食品工石油から生まれる容器と、鶏から生まれた食品は工場で出会い、中身が容器に注入され、封印され、薄いビニール「評論解析」A・B(計8本)巻頭1 評論を読み解く評論解析A1 解析マスター解析マスター①1000字程度の見開き構成で構成し、1時間で授業を完結できます。多彩なテーマの文章を採録しましたので、多読のご指導としても活用できます。一九五八(昭和33)年~。グラフィックデザイナー。岡山県生まれ。本文は「デザインのめざめ」(二〇一四年刊)によった。1056原はら 主要な見解をつかむ36

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