五編)評論Ⅰ二十億光年の孤独わたしが一番きれいだったときゅん俊し太た郎ろうばら茨い木ぎ谷たに川かわのり子こ2155教科書 人類は小さな球の上で眠り起きそして働きときどき火星に仲間を欲しがったりする火星人は小さな球の上で何をしてるか(或あるいはネリリししかしときどき地球に仲間を欲しがったりするそれはまったくたしかなことだ万有引力とはひき合う孤独の力である僕は知らないキルルしハララしているか)わたしが一番きれいだったとき街々はがらがら崩れていってとんでもないところから青空なんかが見えたりしたわたしが一番きれいだったときまわりの人達が沢山死んだ工場で海でわたしはおしゃれのきっかけを落おとしてしまったわたしが一番きれいだったときだれもやさしい贈おくり物ものを捧ささげてはくれなかった名もない島で1光年天文学上の距離の単位。一光年は光が一年間に達する距離で、約九兆四千六百億キロメートル。2万有引力一二ページ注1参照。評論Ⅰ紙面紹介 「言葉の力」/「二十億光年の孤独」/「わたしが一番きれいだったとき」1010 〈知〉の深化5244 ▼大岡信「言葉の力」(三四ページ)の〔参考〕として(現代の詩27〈知〉の深化①:現代の詩 5編(韻文)「言葉の力」本文に「ありふれた言葉が……突然すごい力を持った言葉に変貌する」とある。これを手がかりに、実際の「変貌」の様子を現代詩に見出す。詩は「二十億光年の孤独」「崖」「るるる葬送」「帰途」「わたしが一番きれいだったとき」の代表的な5編を採録。
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