令和8年度用 探求 現代の国語 カタログ
10/116

『探求 現代の国語』題材紹介〈知〉のコミュニティへ実用的な文章(教材数10本 筆者数3) 最果タヒ わからないぐらいがちょうどいいわからないものを、わからないまま受けとめることの大切さ――言葉や人との向き合い方を問いかける文章。  佐藤卓 ほどほどのデザイン [3510字]「ほどほど」を突き詰めるところに日本人らしさが見える――デザインを通じて日本文化について述べた評論。 大岡信 言葉の力 [4270字]ささやかな言葉の集まりが、時あって驚くべき力を発揮する――ありふれた日常の言葉の大切さを綴った評論。+〈知〉の深化 現代の詩 五編 (韻文)「言葉の力」本文に、「ありふれた言葉が……突然すごい力を持った言葉に変貌する。」とある。これを手がかりに、実際の「変貌」の様子を現代詩に見いだす。詩は、「二十億光年の孤独」(谷川俊太郎)、「崖」(石垣りん)など五編。 山崎正和 サイボーグとクローン人間 [2770字]世論はなぜサイボーグに甘くクローンに厳しいのか――現代人の「科学」観、文明変遷の常識を問い直す評論。 外山滋比古 読む [2700字]高度の読みは、創造的な読みである――「読む」ことの意味、文学的表現を解釈する喜びについて論じた評論。+〈知〉の深化 川上弘美 神様 (小説) [3780字]「読む」本文に、「最も活発な解釈を許す、むしろ、誘発するのが文学的表現である。」とある。これを手がかりに、小説「神様」について、「神様」というタイトルの意味を自分なりに解釈し、解釈の多義性に関する理解を深める。 岩井克人 経済の論理/環境の倫理 [2500字]現在世代は未来世代のために行動できるか――経済の視点から環境問題を考察し、世代間倫理について問う評論。 若林幹夫 遅れてきた「私」 [3610字]「私」は、さまざまな他者や事物との共時的・通時的なつながりの中にある――社会の中の「私」を論じた評論。+〈知〉の深化 長谷川眞理子/山岸俊男 「社会」の誕生(対談)「遅れてきた『私』」本文では、社会のつながりの中での個人の存在を述べている。これを手がかりに、「社会」がどう生まれるかを語った進化生物学者と社会心理学者による対談を読み、社会と個人の関係性への理解を深める。 湯澤規子 食の履歴書 [3240字]アンパンマンには作者の戦争体験や飢餓の記憶が込められている――食の変遷を通じて近代・現代を捉える評論。 與那覇潤 グローバル化と「文脈」 [890字]グローバル化とは、相互の文脈の共有度合いが低い状態へ移行することだ――今後必要な表現能力を考える評論。 内山節 ゆらぎ [1190字]いつの時代にも通用する価値観を見分け、新しい発想の指針とする――哲学者の視点から社会の姿を考えた評論。 野家啓一 擬制から責任へ [1020字]「責任」は一定の社会制度、すなわち「物語り」の中でのみ意味を持つ――社会的存在としての「人」を論じた評論。 岡真理 アラビア語を学ぶ [1000字]アラビア語を学ぶことは、世界を逆方向から眺めることだ――ヨーロッパ中心主義を克服する視点で論じた評論。 松井孝典 我関わる、ゆえに我あり [720字]「我」とは脳の働きであり、その「我」は外界と関わることで作られる――認識主体としての自己を論じた評論。 仲正昌樹 「私」が「主体」であるために [980字]「私」の「主体性」は、他者からの「承認」を基盤としている――社会における「私」を哲学的視点で論じた評論。 本川達雄  生物多様性と科学 [1300字]生物は「一回きり・地域限定」のものであり、二重にかけがえのないものだ――多様性を理解する意義を問う評論。 池澤夏樹 ヒトの「進化」と普遍性 [1810字]「進化」は一直線の向上ではなく、ヒトが優位なわけでもない――生物多様性を貫く普遍性の重要性を述べる評論。 学級日誌を書く学校生活で身近な学級日誌を題材に、書式に合わせて事実を「残す」ことの意義を学ぶ。議事録や報告書など実社会で必要とされる「記録」の意味も考える。 文化祭を企画する文化祭の企画書、脚本、宣伝パンフレットを題材に、「企てる」ための効果的な手法を学ぶ。実社会でのビジネスの原点に「企画」が存在することにも触れる。 上野千鶴子 問いの立て方とオリジナリティ [2700字]問いを立てるとはどういうことか、オリジナルな問いとは――一次情報と二次情報の違いなど、高校での探究活動のあり方を考えるうえで示唆に富む文章。 出国手続きを考える日本出国の手順を示した資料や、出入国管理の法律などを題材に、「定める」ための箇条書き的な決まり事について学ぶ。「国境」が管理される理由も考える。評論単元(教材数 本+〈知〉の深化6本 筆者数 )12 12 08 最果タヒ わからないぐらいがちょうどいいわからないものを、わからないまま受けとめることの大切さ――言葉や人との向き合い方を問いかける文章。  佐藤卓 ほどほどのデザイン [3510字]「ほどほど」を突き詰めるところに日本人らしさが見える――デザインを通じて日本文化について述べた評論。 大岡信 言葉の力 [4270字]ささやかな言葉の集まりが、時あって驚くべき力を発揮する――ありふれた日常の言葉の大切さを綴った評論。+〈知〉の深化 現代の詩 五編 (韻文)「言葉の力」本文に、「ありふれた言葉が……突然すごい力を持った言葉に変貌する。」とある。これを手がかりに、実際の「変貌」の様子を現代詩に見いだす。詩は、「二十億光年の孤独」(谷川俊太郎)、「崖」(石垣りん)など五編。 山崎正和 サイボーグとクローン人間 [2770字]世論はなぜサイボーグに甘くクローンに厳しいのか――現代人の「科学」観、文明変遷の常識を問い直す評論。 外山滋比古 読む [2700字]高度の読みは、創造的な読みである――「読む」ことの意味、文学的表現を解釈する喜びについて論じた評論。+〈知〉の深化 川上弘美 神様 (小説) [3780字]「読む」本文に、「最も活発な解釈を許す、むしろ、誘発するのが文学的表現である。」とある。これを手がかりに、小説「神様」について、「神様」というタイトルの意味を自分なりに解釈し、解釈の多義性に関する理解を深める。 岩井克人 経済の論理/環境の倫理 [2500字]現在世代は未来世代のために行動できるか――経済の視点から環境問題を考察し、世代間倫理について問う評論。 若林幹夫 遅れてきた「私」 [3610字]「私」は、さまざまな他者や事物との共時的・通時的なつながりの中にある――社会の中の「私」を論じた評論。+〈知〉の深化 長谷川眞理子/山岸俊男 「社会」の誕生(対談)「遅れてきた『私』」本文では、社会のつながりの中での個人の存在を述べている。これを手がかりに、「社会」がどう生まれるかを語った進化生物学者と社会心理学者による対談を読み、社会と個人の関係性への理解を深める。 湯澤規子 食の履歴書 [3240字]アンパンマンには作者の戦争体験や飢餓の記憶が込められている――食の変遷を通じて近代・現代を捉える評論。 與那覇潤 グローバル化と「文脈」 [890字]グローバル化とは、相互の文脈の共有度合いが低い状態へ移行することだ――今後必要な表現能力を考える評論。 内山節 ゆらぎ [1190字]いつの時代にも通用する価値観を見分け、新しい発想の指針とする――哲学者の視点から社会の姿を考えた評論。 野家啓一 擬制から責任へ [1020字]「責任」は一定の社会制度、すなわち「物語り」の中でのみ意味を持つ――社会的存在としての「人」を論じた評論。 岡真理 アラビア語を学ぶ [1000字]アラビア語を学ぶことは、世界を逆方向から眺めることだ――ヨーロッパ中心主義を克服する視点で論じた評論。 松井孝典 我関わる、ゆえに我あり [720字]「我」とは脳の働きであり、その「我」は外界と関わることで作られる――認識主体としての自己を論じた評論。 仲正昌樹 「私」が「主体」であるために [980字]「私」の「主体性」は、他者からの「承認」を基盤としている――社会における「私」を哲学的視点で論じた評論。 本川達雄  生物多様性と科学 [1300字]生物は「一回きり・地域限定」のものであり、二重にかけがえのないものだ――多様性を理解する意義を問う評論。 池澤夏樹 ヒトの「進化」と普遍性 [1810字]「進化」は一直線の向上ではなく、ヒトが優位なわけでもない――生物多様性を貫く普遍性の重要性を述べる評論。 学級日誌を書く学校生活で身近な学級日誌を題材に、書式に合わせて事実を「残す」ことの意義を学ぶ。議事録や報告書など実社会で必要とされる「記録」の意味も考える。 文化祭を企画する文化祭の企画書、脚本、宣伝パンフレットを題材に、「企てる」ための効果的な手法を学ぶ。実社会でのビジネスの原点に「企画」が存在することにも触れる。 上野千鶴子 問いの立て方とオリジナリティ [2700字]問いを立てるとはどういうことか、オリジナルな問いとは――一次情報と二次情報の違いなど、高校での探究活動のあり方を考えるうえで示唆に富む文章。 出国手続きを考える日本出国の手順を示した資料や、出入国管理の法律などを題材に、「定める」ための箇条書き的な決まり事について学ぶ。「国境」が管理される理由も考える。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る