令和8年度用 新 現代の国語 ダイジェスト版
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②整理と推敲A 読み直しや互いに読み合う活動を踏まえて、読み手の意見を生かして文章の整理や推敲ができている。B 読み直しや互いに読み合う活動を踏まえて、文章全体を整えたり書き直したりしている。C 読み直しや互いに読み合う活動を踏まえたうえでの文章の整理や推敲が十分に行えていない。準備物・ワークシート①(教科書データ集DVD-ROMに収録)…老婆と下人のそれぞれの論理を整理し、検証する活動を行う。・ワークシート②(教科書データ集DVD-ROMに収録)…自分の意見や主張を示す文章を書き、周囲の評価を受けて推敲する。●デジタル(一人一台端末)活用例業支援ツールを用いて個々の考えを共有してもよい。活用してもよい。「書く」活動へのステップ(一六一ページ下段)1答3213113121指導資料指導資料(小説)                                    たのか。↓活動1京都は寂れており、人々は生きるために手段を選べない状況にある。その中で羅生門は、荒れ果てて死人の捨て場所になっている。解説老婆と下人の論理を捉えるためには、彼らが置かれている状況を本文から的確に押さえる必要がある。解説下人の論理は、一六九ページ12行目からの老婆の発言を受けて展開される。引剝はたしかに悪事である(譲歩)。しかし、引剝を行わなければ、下人は飢え死にをしてしまう(逆接)。だから、生きるために悪事を働くのは仕方ないと述べる老婆から引剝をすることは許されるはずである(順接)、というのが下人の論理である。手順2 1で確認したような論理で︑老婆は死人の髪を抜き︑下人は引剝をしたが︑老婆と下人のそれぞれの主張について︑次の二つの観点から検証してみよう︒ ・主張の根拠は妥当か ・論理の展開に説得力があるか 四人程度のグループを作り、老婆と下人のそれぞれの論理について、「根拠の妥当性」の面から気づいたことを述べ合う。を述べ合う。 1・2を元に、それぞれの論理の問題点を整理し、ワークシート①に記入する。→手順3 身の回りの事柄や社会の風潮から課題を見つけ︑1で確認したことや2で検証したことを生かしながら︑︿譲歩︱逆接︱順接﹀の論理を用いて自分の意見や主張を示す文章を書こう︒ 各自で課題であると感じる例を見つけ、ワークシート②にメモする。→ 1・2 1でメモした課題の中から自らの考えを伝えたいものを一つ選び、伝えたい意見や主張を端的にまとめ、ワークシート②に記入する。→ 2の内容を伝える文章を、〈譲歩︱逆接︱順接〉の構成で、二〇〇字程度で書く。→解答例コロナ禍の外出制限に不平を言う人がいた。たしかに、移動の自由は大切で、それを制限するのは望ましくない。しかし、ウイルスの全貌もわからず、治療法も模索状態であった当時、感染しない、させないことが重要であり、そのためには外出の制限しか方法がなかった。だから、それで害を受ける人の補償はしたうえで、ある程度の外出制限はやむを得なかった。4 3で書いた文章について︑数人のグループになって互いに読み︑根拠は妥当か︑論理の展開に説得力があるかなどを指摘し合おう︒その上で︑周りからの指摘を踏まえて︑自分の書いた文章を書き直そう︒手順 先ほどのグループで、ワークシートを交換してお互いの書いた文章を読み合う。 ワークシートの評価欄に示された観点に基づいて、気づいたことや感想を記入し、返却する。 2で記入してもらった内容をもとに、文章の整理と推敲を行う。1 グーグルクラスルームやロイロノートなどの双方向授2 書く内容についての情報を得るために、ウェブ検索を◆ 「京都」および「羅生門」は、当時どのような状況にあっ2 「論理の展開の説得力」の面から気づいたこと教科書(一六〇〜一七三)組み立てる論理を羅生門97

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