「目に見えないもの」(六五・3)として、筆者はどのようなものを挙げ、それらについてどのように考えているか、まとめてみよう。読解答「目に見えないもの」としてウイルスやさまざまな粉塵、さらに珪藻や、それが作り出す酸素を挙げている。そして、これらの多くは、境界線の枠の中の人間とは異なり、それを悠々と超えながら、人間の命に大きく関わり、私たちはそれらに命を預けている。また、それに人間が気づくには「星の目」としてのマクロの視点が必要だと考えている。解説 「見えない」ことを示す具体的な表現は、以下の通りである。・「目に見えないウイルス」(六四・2)・流れていく「学見習えのない手も引のき」(六五・5)/私たちがともに空を飛んでいた「見えないもの」(「六学六・習6の)=手多引くのき」の解答例ていとる、か。解答を導くための認ポ識をイ更ン新すトるとためなのる究極の道具だと物資を含む粉塵・太西洋上では「スモ到ッ達グと目し標てしとかな知る①言目語に見活え動ない)ウにイルつスいのたてめは、人、はね大らいら・し準ても備見物え・な手いも順の・、答えが見えて解説を示しまし解た答。特に「活動」(各教材にお思けってるいおる。おそむしてね、のどんなに目を凝評価規準などを詳しく示し、ご指導の際の手がかりとなるよう留意いたしました。◆◆◆地に固定され境界線を越えることができなくなったが、雲やさまざまな「見えないもの」が境界線を越えていることを、地上の視点から思っている。そして、地球上に暮らす者はその「見えないもの」に命を預けている運命共同体であることに気づき、そうしたことに気づくにはマクロの視点が必要だと思っている。②サハラ砂漠から舞い上がった紅砂が大西洋を渡り、アマゾンの木々を繁栄させ、さらにその栄養素が川を下り、海に放出され、酸素を作り出す珪藻を繁殖させているのがわかった。また、そうしたことは、宇宙までの距離を取って初めて、見ることができると気づいた。さらに、宇宙船が捉えた月の裏側から昇る地球の姿を見て、宇宙空間に浮かぶ星の上で暮らしているという自己認識を人類が初めて得た。③「星の目」とは、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスであり、また、それがもたらす視点である。それらにより、地球や大地や自分自身の暮らしなどをマクロな視点から見ることができるので、デジタルデバイスは、地上では見えないものを見て、新しい自己◆◆◆教科書(六四〜七〇)星の目で見る覚できない」紅砂(六六・12)・「顕微鏡でしか見ることができない」小さなプランクトン(六七・5)・「目に見えない酸素」(六七・10)・「地上からは見えないもの」(六九・9)=「地上でどんなに目を凝らしても見えないもの、答えが見えてこないもの」(六九・11)本文は、地上からの視点で書き出し、次に宇宙からの視点を紹介し、最後に、机の上やカバンの中などに持つ「星の目」の視点について述べている。それらの視点に関する次の問いについて、それぞれまとめてみよう。①地上から空を見上げた視点から、筆者はどのようなことを思っているか。読②「宇宙空間に浮かぶ﹃星の目﹄」(六五・11)の視点から、どのようなことがわかったと筆者は述べているか。読③机の上やカバンの中などに持つ「星の目」の視点について、筆者はどのようなことを思っ変える視点をこないものについては、この「星の目」を使って考えようと思っている。解説①六五ページ9行目まで(第一意味段落)を踏まえる。②ここで言う「宇宙空間に浮かぶ『星の目』」とは、国際宇宙ステーションや人工衛星が送ってくるデータであり、アポロ八号が映した映像であると考え、六九ページ2行目まで(第二・第三意味段落)を踏まえる。③本文末尾まで(第四意味段落)を踏まえる。ここでの読解のポイントは、次の「表現3」とも関わり、「どんなに目を凝らしても見えないもの、答えが見えてこないもの」が、具体的にどのような「もの」であるかを理解することが重要である。それは、少なくとも、かぎかっこに入らない「星の目」の働きではないから、宇宙からのデータに限定するべきではなく、個々の固定された人間の目では捉ええきれない、大きく俯瞰的な視点から状況を捉えたデータなどを想定するとよい。これは、デジタルデバイスの特徴や利用法を考える「活動」とも大きく関連する。読︙読む能力【評価の観点】 知︙知識・技能話︙話す・聞く能力書︙書く能力主︙主体的に学習に取り組む態度学習の手引き読解 2指導資料(評論) 読解 168
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