どこかの都市が封鎖され、どこかの国境が閉じられている日本では「自粛」のレベルに止まったが、筆者在住のヨーロッパでは外出禁止やロックダウンが実施された。そして、日本も含めて国外への移動は厳しく制限された。それを「飛行機雲が引かれなくなって久しい空」が象徴しており、人々は「大地に固定され」た。本教科書二四九ページのグラフは当時の状況を如実に示す。目に見えないウイルスる視点を前半の話題の中心としており、その「見えないもの」の第一がウイルスである。人という乗り物の動きを……生き残りの知恵だデミックの際に、人類が経験した過去の事例が参照された。以下は中世のペスト流行に対する「知恵」である。この時点では、病原菌の正体も、感染症が人から人へ伝播するメカニズムも知られていなかったのですが、病人との接触によって起こる病気であることは知られていたので、隔離が必要な病気だということが認識されていました。そこで、船で移動してきた者を一四日間隔離する「検疫」という制度が登場します。あるいは劇場を閉鎖して人が集まるのを避ける。さらには都市封鎖、ロックダウン、つまり都市への人間の出入りを全面的語に句禁止のす解る説という対応が取られていきます。教科書(六四・1~六七・3)読み取(り瀬戸の口う明久え「で災害重の要環境と史な」)る語句めに〉つの段い階てで行、う。詳しい解説を掲載しました。教科書(六四〜七〇)星の目で見る本文は「見えないもの」を見変える視点を3 大地からの視点と上空からの視点の違いに着目しながら︑新型コロナウイルス感染症の流行で移動が困難であった時に筆者が考えたことを読み取る︒1 本文冒頭は新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえているが、その当時は、どのような思いでいたか。▽本文の具体的な内容への導入に当たる問いかけ。二〇二〇年当時の生徒の年齢を踏まえつつ、自身や家族の感染など、つらい記憶を持都市の封鎖や国境の閉鎖があったことは、本文との関連で確認しておきたい。7 対比◆答さ「(れ大人てき々いなはる)…も雲…の。」はの何一か文。の中で、「人々」と▽境界線内の大地に固定されている「人々」と、その境界線を越えて流れる「雲」の対比である。問問32問1問指導資料(評論) 流れていくものが「雲だけではない」ことを確認せよ。▽窒素からマイクロプラスチックまで具体的に挙げているが、「数えきれない物資を含む、目には見えない粉塵」であり、「命を支えるも1 「視点を変える」と言われて思い浮かぶこと六四ページ六四ページ語句の解説星の目で見る①●導入のポイントや︑視点を変えた体験︑またその意義について考える︒本単元のテーマは「視点を変える」だが、「視点を変える」と言われて思い浮かぶのはどのようなことか。▽「視点を変えた」体験を振り返させてもよい。問「視点を変える」ことにどのような意義があると思うか。パン▽教科書六三ページ「学びの位置づけ」を確認してもよい。そこでは「固定されがちな考えを揺さぶ」るという利点が挙げられている。●展開のポイント2 どのような「視点」の転換が述べられているかに着目しながら︑本文を通読する︒本文で述べられている「視点」の転換を押さえながら、本文を通読せよ。▽通読後に、本文を四つの意味段落に分ける。「構成展開図」参照。▽本文における「視点」の転換の確認は、〈まと授業展開例(発問と解説)10 発問例 読解のポイントをつ押さえられる発問と、その生解答を示しました。徒もいるであろうことに配慮したいが、66
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