3 視点を変える 阿部雅世 星の目で見る[2670字]スマホやタブレットは新しい自己認識を更新するための究極の道具だ――デジタルデバイスの存在意義に触れながら、マクロの視点で自分を捉える大切さを述べた評論。小川洋子 世界の周縁に身を置く人[1900字]アンネ・フランクの姉マルゴーは、目立たない存在だったが思慮深く自分の生を生き抜いた――「中心」からあえて視線をずらし、「周縁」を眺めてみることの意義を問う評論。村田沙耶香 カルチャーショック〈小説〉[2960字]「均一」に住む「僕」は、「カルチャーショック・タウン」に住む老婆と出会い、言葉を交わす。「僕」の異文化体験から、異文化と接することで何が生じるのかを考える。4 他者と向き合う 鷲田清一 わかろうとする姿勢[3580字]何とかわかりたいという気持ちそのものが、最も大切である――コミュニケーションの原点について考える評論。星野道夫 アリューシャン、老兵の夢と闇[5810字]合同慰霊祭に集まった日米の元兵士が語る人生観――戦後生まれの世代が「戦争」とどう向き合うかを考える随想。実用的な文章2 文化祭の企画文化祭の企画書、脚本、宣伝パンフレットを題材に、「企てる」ための効果的な手法を学ぶ。実社会でのビジネスの原点に「企画」が存在することにも触れる。川上弘美 神様〈小説〉[3780字]人の言葉を話す「くま」と「わたし」のささやかな交流を描く小説。「他者」とはどのような存在かを考える。5 問いを立てる 山崎正和 サイボーグとクローン人間[2770字]世論はなぜサイボーグに甘くクローンに厳しいのか――現代人の「科学」観、文明変遷の常識を問い直す評論。長田弘 レオーノフの帽子屋[2350字]なぜ一所懸命に、人は生きて、死ぬのか――老帽子屋の言葉と生き方を通し、生きることの意味を問う随想。8 常識を問い直す 内田樹 言葉は「ものの名前」ではない[2550字]名づけられることによって、初めてものはその意味を確定するのである――伝統的な言語観を問い直す評論。大竹文雄 納税は義務か[3710字]納税は国民の義務か、そもそも税金とはどのようなものか――諸外国と日本の法制度との比較を通じ、国家と国民の関係、国民と憲法の関係を考える文章。実用的な文章5 新聞記事とバリアフリー現代と40年前の二つの新聞記事を題材に、バリアフリーの現状と過去について考える。さらに、バリアフリーとユニバーサルデザインの考え方の違いを学ぶ。船木亨 AIの判断[2180字]AIは正しい判断をするのではない。人間とAIでは「未来」の捉え方が異なる――AI普及の問題を論じた評論。 9 情報を関連づける 湯澤規子 食の履歴書[3240字]アンパンマンには作者の戦争体験や飢餓の記憶が込められている――食の変遷を通じて近代・現代を捉える評論。実用的な文章6 出入国の手続きと管理日本出国の手順を示した資料や、出入国管理の法律などを題材に、「定める」ための箇条書き的な決まり事について学ぶ。「国境」が管理される理由も考える。長谷部恭男 立憲主義の成立[1120字]価値の多元化した現代では、公的領域と私的領域の切り分けが不可欠となる――立憲主義の必要性を述べた評論。 ◆評論解析B 與那覇潤 グローバル化と「文脈」[890字]グローバル化とは、相互の文脈の共有度合いが低い状態へ移行することだ――今後必要な表現能力を考える評論。内山節 ゆらぎ[1190字]いつの時代にも通用する価値観を見分け、新しい発想の指針とする――哲学者の視点から社会の姿を考えた評論。福岡伸一 壊す生命[910字]生命にとって重要なのは造ること以上に壊すことである――動的平衡の観点から生命の営みについて述べた評論。岡真理 アラビア語を学ぶ[1000字]アラビア語を学ぶことは、世界を逆方向から眺めることだ――ヨーロッパ中心主義を克服する視点で論じた評論。 ◆評論解析C 松井孝典 我関わる、ゆえに我あり[720字]「我」とは脳の働きであり、その「我」は外界と関わることで作られる――認識主体としての自己を論じた評論。仲正昌樹 「私」が「主体」であるために[980字]「私」の「主体性」は、他者からの「承認」を基盤としている――社会における「私」を哲学的視点で論じた評論。本川達雄 生物多様性と科学[1300字]生物は「一回きり・地域限定」のものであり、二重にかけがえのないものだ――多様性を理解する意義を問う評論。池澤夏樹 ヒトの「進化」と普遍性[1810字]「進化」は一直線の向上ではなく、ヒトが優位なわけでもない――生物多様性を貫く普遍性の重要性を述べる評論。3 視点を変える 阿部雅世 星の目で見る[2670字]スマホやタブレットは新しい自己認識を更新するための究極の道具だ――デジタルデバイスの存在意義に触れながら、マクロの視点で自分を捉える大切さを述べた評論。小川洋子 世界の周縁に身を置く人[1900字]アンネ・フランクの姉マルゴーは、目立たない存在だったが思慮深く自分の生を生き抜いた――「中心」からあえて視線をずらし、「周縁」を眺めてみることの意義を問う評論。村田沙耶香 カルチャーショック〈小説〉[2960字]「均一」に住む「僕」は、「カルチャーショック・タウン」に住む老婆と出会い、言葉を交わす。「僕」の異文化体験から、異文化と接することで何が生じるのかを考える。4 他者と向き合う 鷲田清一 わかろうとする姿勢[3580字]何とかわかりたいという気持ちそのものが、最も大切である――コミュニケーションの原点について考える評論。星野道夫 アリューシャン、老兵の夢と闇[5810字]合同慰霊祭に集まった日米の元兵士が語る人生観――戦後生まれの世代が「戦争」とどう向き合うかを考える随想。実用的な文章2 文化祭の企画文化祭の企画書、脚本、宣伝パンフレットを題材に、「企てる」ための効果的な手法を学ぶ。実社会でのビジネスの原点に「企画」が存在することにも触れる。川上弘美 神様〈小説〉[3780字]人の言葉を話す「くま」と「わたし」のささやかな交流を描く小説。「他者」とはどのような存在かを考える。5 問いを立てる 山崎正和 サイボーグとクローン人間[2770字]世論はなぜサイボーグに甘くクローンに厳しいのか――現代人の「科学」観、文明変遷の常識を問い直す評論。長田弘 レオーノフの帽子屋[2350字]なぜ一所懸命に、人は生きて、死ぬのか――老帽子屋の言葉と生き方を通し、生きることの意味を問う随想。8 常識を問い直す 内田樹 言葉は「ものの名前」ではない[2550字]名づけられることによって、初めてものはその意味を確定するのである――伝統的な言語観を問い直す評論。大竹文雄 納税は義務か[3710字]納税は国民の義務か、そもそも税金とはどのようなものか――諸外国と日本の法制度との比較を通じ、国家と国民の関係、国民と憲法の関係を考える文章。実用的な文章5 新聞記事とバリアフリー現代と40年前の二つの新聞記事を題材に、バリアフリーの現状と過去について考える。さらに、バリアフリーとユニバーサルデザインの考え方の違いを学ぶ。船木亨 AIの判断[2180字]AIは正しい判断をするのではない。人間とAIでは「未来」の捉え方が異なる――AI普及の問題を論じた評論。 9 情報を関連づける 湯澤規子 食の履歴書[3240字]アンパンマンには作者の戦争体験や飢餓の記憶が込められている――食の変遷を通じて近代・現代を捉える評論。実用的な文章6 出入国の手続きと管理日本出国の手順を示した資料や、出入国管理の法律などを題材に、「定める」ための箇条書き的な決まり事について学ぶ。「国境」が管理される理由も考える。長谷部恭男 立憲主義の成立[1120字]価値の多元化した現代では、公的領域と私的領域の切り分けが不可欠となる――立憲主義の必要性を述べた評論。 ◆評論解析B 與那覇潤 グローバル化と「文脈」[890字]グローバル化とは、相互の文脈の共有度合いが低い状態へ移行することだ――今後必要な表現能力を考える評論。内山節 ゆらぎ[1190字]いつの時代にも通用する価値観を見分け、新しい発想の指針とする――哲学者の視点から社会の姿を考えた評論。福岡伸一 壊す生命[910字]生命にとって重要なのは造ること以上に壊すことである――動的平衡の観点から生命の営みについて述べた評論。岡真理 アラビア語を学ぶ[1000字]アラビア語を学ぶことは、世界を逆方向から眺めることだ――ヨーロッパ中心主義を克服する視点で論じた評論。 ◆評論解析C 松井孝典 我関わる、ゆえに我あり[720字]「我」とは脳の働きであり、その「我」は外界と関わることで作られる――認識主体としての自己を論じた評論。仲正昌樹 「私」が「主体」であるために[980字]「私」の「主体性」は、他者からの「承認」を基盤としている――社会における「私」を哲学的視点で論じた評論。本川達雄 生物多様性と科学[1300字]生物は「一回きり・地域限定」のものであり、二重にかけがえのないものだ――多様性を理解する意義を問う評論。池澤夏樹 ヒトの「進化」と普遍性[1810字]「進化」は一直線の向上ではなく、ヒトが優位なわけでもない――生物多様性を貫く普遍性の重要性を述べる評論。+参考 松田雄馬 人工知能はなぜ椅子に座れないのか[1125字]「AIの判断」では、AIの判断には「未来」がないと述べられている。これを踏まえて、「身体」「物語」といった観点から、AIの現在地や今後の可能性を考える。 +参考 吉川浩満 人間拡張の現在[1450字]「サイボーグとクローン人間」では、身体能力の〈回復〉と〈改善〉の差が紙一重であることが述べられている。これを踏まえて、人間拡張の現在について述べた文章を読み、科学技術と人間との関係について改めて考える。+参考 吉野弘 I was born[920字]寺で身重の女を見た「僕」は、生の「受身」に思い至り、父に話しかける――生にまつわる「受身」「意志」を考える詩。教科書15題材紹介
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